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『ホリミヤ』沼ガイド──付き合ってからが本編で、卒業まで飽きない

アニメ

4巻で付き合う。9巻でプロポーズ。

ラブコメとしては、早すぎる。

初めて読んだとき、私も「早くないか」と思った。告白までを引っ張って、くっついたら終わり。ラブコメはそういうものだと思っていたからだ。

でも『ホリミヤ』は、くっつくまでの話じゃない。

出会ってから卒業までの、高校生活の話だ。

だから付き合ってからが本編で、そこから卒業まで、ずっと面白い。

出会い一つでぼっちの世界が広がっていくのが気持ちいい

この作品で一番好きなのは、ここだ。

宮村は小・中学時代、ぼっちだった。
高校に入っても、教室では目立たない陰気な男子として扱われている。

その宮村が、堀の弟・創太を家まで送り届ける。たったそれだけの出来事で、全部が動き出す。

堀の家に通うようになる。石川という初めての男友達ができる。生徒会の仙石やレミと絡み、柳が来て、井浦が来て、後輩の沢田がなつく。

ぼっちだった宮村の周りに、一人、また一人と人が増えていく。

堀の側も同じだ。家では両親に代わって家事と弟の世話をして、自分の時間がなかった。
そこに宮村が来て、創太がなつき、父の恭一が面白がって、堀家に人が集まるようになる。

「出会いが人生を変える」なんて言葉は、聞き飽きている。

でもこの作品は、それを説明しない。
出会ってからの日々を一つずつ積み重ねて、気づいたら二人の高校生活がまるごと変わっている。

その積み重ねを追うのが、とにかく気持ちいい。
読み進めるほど「あの出会いがなければ、この全部がなかった」と思えてくる。

付き合ってからが本編だから卒業まで飽きない

4巻で付き合う。早い。

でも読んでいくと、この早さこそがこの作品の強みだとわかる。

この作品は、くっつくことが目的じゃない。青春とか高校生活そのものがメインだ。だから堀と宮村がくっついても、話は終わらない。むしろそこからが本編になる。

付き合ってからの周りの反応。宮村のイメチェン。修学旅行、体育祭、文化祭。付き合った二人が、みんなの中で高校生活を送っていく。

9巻でプロポーズをして、それでもまだ卒業まで続く。

付き合った後を描くラブコメ自体は、結構ある。
でも、ここまで長く、ここまで丁寧に描いたものはなかなかない。

どっちもちょいアホで、堀は理解できないくらい面倒で、宮村は天然のすけこまし。
なんだかんだ一番変なカップルなのに、妙にしっくりくる。

「この後どうなるんだろう」というハラハラではなく、「この二人をずっと見ていられる」という安心感。

卒業まで飽きないのは、そこに理由がある。

堀と宮村がいない回でも面白いのが強い

読み進めていくと、堀と宮村が出てこない区間が普通にある。

それでも面白い。ここがこの作品の強さだ。

理由は単純で、面白いやつしかいない。割とみんなポンコツでもある。

だから誰と誰が絡んでも笑える。
男同士のバカなノリ、アホなやり取り、わちゃわちゃのくだらない会話。
ここが好きだ。

井浦はいいやつなのに、色々と忙しくてうるさくて、どこでも雑に扱われている。
それが毎回おかしい。

渡部は登場シーン自体は少ないのに、何かを超越した変態としてインパクトだけ残していく。

後輩の沢田と宮村の、兄妹みたいな距離感もいい。なんだかんだ、この二人は仲がいい。

ギャグ漫画ではない。でもキャラのアホなやり取りで、大体1話に一回は笑える。

主役の二人がいなくても、この輪の中にいるだけで楽しい。だから飽きない。

素直な子しかいないから読んでいて嫌な気持ちにならない

この作品の青春が好きなのは、濁らないからだ。

すれ違いがないわけではない。ちょいちょいある。

でもこの作品のキャラは、基本的に素直な子しかいない。むかついたら言う。不満があれば態度に出る。それを周りが気遣って、結果的に話すことになる。で、するっと解決する。

だから引きずらない。

シリアスな場面はある。軽いわけではない。でも長く続くことがない。落ちるときは落ちて、ちゃんと戻ってくる。

読んでいて嫌な気持ちにさせられない、という信頼がある。だから安心して次の巻に手が伸びる。

この空気があるから、この青春を最後まで見ていたくなる。

アニメだけで止まっているならもったいない

私はアニメを全話観てから漫画を読んだ。

読んで思ったのは、アニメは断片的だということだ。過程をカットしてしまっている。

5巻あたりから知らない話がてんこ盛りになる。キャラの登場頻度も変わる。安田先生は原作だと6巻でやっと出てくる。

そして何より、漫画の方が感情描写が多い。

アニメだと宮村メインの印象だったが、漫画は堀の悩みにもフォーカスする。
創太の視点も出る。
複数の視点が積み重なる。

そこを掘り下げてくれるから、キャラへの愛着が強くなる。

アニメで「いい作品だった」と思った人ほど、漫画で「知っていたつもりだった」がひっくり返る。

とにかく読みやすくて、会話がよくて、コマ割りが上手い。全巻一気に読める。

付き合ってからが本編。ここから先を、ぜひ読んでほしい。


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